シンプルな鐔に隠された謎
特集
2022.02.23
俱楽部御台へようこそ✨
本日は、2月23日の語呂合わせで、富(2)士(2)山(3)となることから、富士山の日ということで、富士山がモチーフの鐔を鑑賞したいと思います😌
『富嶽透鐔』 無銘 伝 金山(でん かなやま)
竪丸形 鉄槌目地(てつつちめじ)肉彫地透 丸耳
縦 約6.8cm
横 約6.5cm
厚み 約6mm
小さめの可愛らしい透鐔です✨
どこからどうみても「THE富士山」
分かりやすい題材ですが、富士山頂の丸い存在が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか😌
さてこれは朝日なのか夕日なのか、はたまた月なのか
静岡から見た富士山なのか山梨から見た富士山なのか、はたまた江戸から見た富士山なのか
芸術の楽しみ方は色々🥰
鐔を鑑賞するときの気分でも、朝日にみえたり月に見えたり、きっと答えはないはずです😌
東京からも富士山は見えますが、昔の江戸からの富士山の方がさぞかし綺麗に見えただろうな✨
と思っていたのですが、実は現代の東京の方がよく見えるのだそうです。
何故かというと、東京はコンクリートで土地が舗装されているので、江戸時代のように砂埃が舞い、遠くが見えづらいという現象がないからということでした😮
そしてこのシンプルな透鐔の最大の謎が「伝金山」というところ。
伝というのは「〜と伝わっています」の意味なので、金山と伝わっています。ということを表しているのですが、実はこの金山は、人名なのか制作された土地なのか分かっていないのです。
天保十年(1839)刊行の「金工鐔寄綴」には
「金山透鐔 金山は山城国地名なるか姓なるか不知と言ども 世に唱えて珍重す」とあります。
金山の場所については諸説あります。
1.美濃の国(現在の岐阜県)に金山神社があり、美濃ではないかという説。
2.尾張(現在の名古屋市)の知多半島に金山神社があり、尾張ではないかという説。
3.尾張の国、名古屋市の熱田に金山彦命(かなやまひこのかみ)を祀る金山神社があり、その付近が金山という地名で、鍛冶屋業の盛んなところであったことからここで作られたという説。
現在ではこの3番目が通説になっていますが、今日では金山鐔の製作地を確定することは不可能ではないかといわれています。
『富嶽透鐔』
シンプルな鐔にも見どころ盛りだくさん、謎もたくさんつまった透鐔を、皆さまと鑑賞することができて幸いです😍
皆さまのまたのお越しを心よりお待ちしております🌸
御台ママ✨
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