鑑定書に書かれた用語を解説!『珠追双龍図鐔』編
特集
2022.03.09
俱楽部御台へようこそお越しくださいました。
鐔は形も題材も色々あって、用語も難しいため、本日はサムライ書房Instagramに投稿した『珠追双龍図鐔』の鑑定書にある用語から解説したいと思います。
まず刀剣博物館の中にある、公益財団法人日本美術刀剣保存協会が、刀や刀装具の鑑定を行いランク付けをします。今回の鐔は「保存刀装具」と鑑定されました。
鐔の題名のあとには
無銘(金工と呼ばれる作成者の名前がないこと)
南蛮 (鐔の種類など)が記載されます
そのあとに鑑定した鐔の特徴が記載されます
「変り八木瓜形」(かわりやつもっこうがた):サムライ書房Instagramの2月25日掲載の『雪梅花透鐔』がノーマルな木瓜形で、変り八木瓜形はその変化形の一種です。
木瓜形はこちら
「鉄地」(てつじ):鐔の材質が鉄ということを指します。
「鋤出彫」(すきだしぼり):鐔の模様の何も入っていない所を「平地」(ひらじ)といいますが、そこから文様の周りを掘り下げて、文様の部分を浮きだたせるように高くして彫を加えたものです。
「金布目象嵌」(きんぬのめぞうがん):象嵌といって金属を刻み込み、そこへ他の材質の金属や材料などを入れようとするところに、鏨(たがね)で縦横に布目状に切り込みを入れて、鑢目(やすりめ)のようにして、この鐔の場合は金線のような薄く切った文様をのせて、竹の鏨で何度も叩き、布目に食い込ませるように密着させたものです。
「鋤残土手耳」(すきのこしどてみみ):鐔の縁を耳といいますが、「鋤残耳」と「土手耳」の合わせ技で鋤す。残耳は耳の厚さと切羽台(せっぱだい:銘が刻まれるところ)の厚さが大体同じで、その間を鏨で鋤下げたものを指します。土手耳は鐔を少し傾けると平地よりも耳が丸く盛り上がっています。これを土手耳といいます。
いきなり合わせ技で難しかったですね(泣)
次はもっと分かりやすい鐔をチョイスしたいと思います!
他にもこの鐔の情報や逸話などがたくさん載っていますので、是非サムライ書房InstagramやTwitterもご覧になってみてください。
それでは、またのご来店を心よりお待ちしております。
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