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【日本酒】(2)日本酒は主にどこで造られている? 『純米酒』『吟醸酒』『醸造酒』の違いとは??

日本酒は主にどこで造られているかご存知でしょうか。

生産量1位の都道府県は実は意外なところだったり??

また名前は聞いたことはあるけれど『純米酒』『吟醸酒ぎんじょうしゅ』『醸造酒じょうぞうしゅ』の違いとは何でしょうか?

前回の記事では、日本酒の歴史を見てきましたが、今回は日本酒が主にどこで造られているのか、そして日本酒の『純米酒』『吟醸酒ぎんじょうしゅ』『醸造酒じょうぞうしゅ』の違いについて見ていきます。

 

◆『日本酒』はどのような地方で、どういった用途で造られてきたか??

日本酒はどの地方で造られてきたかというと、『平安時代』は大寺院で日本酒が造られ、その時は主に奈良大阪で造られていました。ただまだこの頃は日常的に飲むというものではなく、祭事や神様に向けてのお酒という側面の方が強かった時代です。

『鎌倉時代』には京都を中心に自前の酒蔵で日本酒を造り、その日本酒を販売する酒屋の店舗をもつ『造り酒屋』というものが広まっていきました。このことにより、徐々に日常的に日本酒が飲まれるように(この頃はまだ身分が上の方の人達が多い)なっていきます。

『室町時代』になると、京都以外にも酒屋が広まっていき、いわゆる『地酒』というものがこの時期にできました。

有名な場所の日本酒としては、加賀伊豆などの地酒が当時としては有名でした。

地酒は京都で造られた日本酒よりも安価であったため、庶民も日本酒を飲み始めるようになっていったようです。

『江戸時代』になると、江戸に人口が集中し日本酒の大消費地となります。そのため伊丹なだなどで造られた多くの日本酒が大阪から江戸に船で輸送されるようになりました。

このお酒のことを『下り酒』といいます。

この当時にお酒の原材料の『水』の重要性に気づき、なだの『宮水』という井戸水が日本酒造りに最適であることがわかり、なだが日本酒の生産の中心地となりました。

◆現在の『日本酒』はどこで造られている??

(白鹿記念酒造博物館 兵庫県西宮市)

これらの歴史、生産地を見ていきますと、主に京都を中心とした、関西地方で日本酒が造られているのがわかりますね。

現在の日本酒の生産量の1位は兵庫県で、日本国内の生産量の約26%を占めています。

なぜこんなにも多いのかというと、前述にあったようになだ『宮水』によって日本酒造りが盛んになり、また酒米(お酒造り専用の米)の生産量も1位であり、日本酒造りにおいて最適な条件の土地柄が影響しているからです。

2位は京都で、こちらも歴史を見た際にでてきましたが、兵庫よりも日本酒造りの歴史が深く、より伝統的に日本酒が造られています。

3位は新潟で、こちらは日本有数の米の生産地として有名で、また雪解け水も日本酒造りに向いており、『酒蔵』の数は日本一です。

◆『日本酒』の種類、『純米酒』、『吟醸酒』、『本醸造酒』の違いとは!?

日本酒には多くの銘柄などありますが、それらは全て製法の種類によって分類されています。

そもそも日本酒とは何か、そして純米酒や吟醸酒ぎんじょうしゅといった日本酒の種類の違いについてふれていきましょう。

日本酒とは、酒税法上の解釈では清酒と分類され、「必ず米、米こうじ、水を原材料と使用し、それらとその他政令で定められているものを原料とし発酵させて、ろ過させたもの(アルコール度数22%未満)」とされています。

原材料はほぼ同じものであるいわゆる『どぶろく』というお酒は、米をこしてない米粒が残ったお酒なためにろ過はされておらず、清酒には該当しません。そのためどぶろくは日本酒には該当しないのです。

清酒は2種類に分類され、『普通酒』『特定名称種』になります。

『普通酒』とは原料や精米歩合などの要件はなく、カップ酒やパック酒など比較的リーズナブルなお値段で購入することができるお酒が多いです。日常酒として親しまれているものですね。

『特定名称種』とは原料や精米歩合などの特定の要件を満たしたものに、純米酒や吟醸酒ぎんじょうしゅといった特定の名称がつけられます。

この『特定名称種』は大きく分けて、『純米酒』吟醸酒ぎんじょうしゅ醸造酒じょうぞうしゅの3種類に分類されます。

『純米酒』とは『米』『米こうじ『水』のみを用いて造られた日本酒です。

『純米酒』は『米』の旨味やコクが特徴的な日本酒で、原材料にお米以外のものがないため、食中酒としてご飯に合う料理に合わせて飲むのがオススメです。

また、日本酒は温度によって味や香りなどは変わり、温度によっての向き不向きなどがあるのですが、純米酒はどの温度帯でも飲みやすいバランスのいい日本酒となっております。

『吟醸酒』とは『米』『米麹』『水』、そして醸造じょうぞうアルコール』を原材料として造られたものです。

醸造じょうぞうアルコール』とは先ほどの酒税法にでてきた「その他政令で定められているものを原料」に該当し、食用に用いられるアルコールのことをいいます。

日本酒の原材料となる『醸造じょうぞうアルコール』は、主にサトウキビを発酵させて造られており、味や香りはほぼ無味なものです。

なぜ、この『醸造じょうぞうアルコール』を日本酒の原料として用いる理由としては何点かあり、日本酒の雑味をアルコールが抑える働きをすることや、個性のある味をだすことにも用いられること、そして日本酒自体の腐敗を防ぐために用いられるなどといった理由があります。

吟醸酒ぎんじょうしゅ』の話に戻りますが、吟醸酒ぎんじょうしゅは製法にも要件があり、『精米歩合(精米後の白米の元の玄米に対する重量の割合)が60%以下』で『固有の香味、色沢が良好』、そして『吟醸ぎんじょう造り』がされていることです。

吟醸ぎんじょう造り』とは、精米したお米を5〜10度くらいの低温で1ヶ月ほど発酵させる製法です。

手間暇かけて造られる日本酒となっており、フルーティーな芳香を有する『吟醸香ぎんじょうかという香りがします。

5〜15度くらいの温度の『冷酒』で飲むのがおすすめです。

吟醸酒ぎんじょうしゅ』は海外での人気も高い日本酒となっております。

本醸造酒ほんじょうぞうしゅとは、吟醸酒ぎんじょうしゅと同様に『米』『米こうじ『水』醸造じょうぞうアルコール』を原材料として造られたものです。

吟醸酒ぎんじょうしゅと原材料は同じですが、精米歩合が70%以下のものが『本醸造酒ほんじょうぞうしゅ』となります。

また『醸造じょうぞうアルコール』の使用量が制限されており、使用する白米重量の10%を超えないように決められています。

香りは控えめで、辛口な味わいとなっており、熱燗あつかんで飲むのがおすすめです。

◆まとめ

日本酒の主な生産地、日本酒の種類の違いを見てきましたがいかがでしたでしょうか。

特に日本酒の種類の違いは奥深く、こちらを参考にして好みの日本酒を探していただければ幸いです。

次回はいよいよ『日本酒』の造り方について迫っていきます。

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