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戦国のヒステリックママ?! 『淀君』の衝撃エピソードを一挙公開

戦国一のおしどり夫婦と呼ばれた浅井長政あざいながまさ・お市夫妻から生まれた『淀君よどぎみ』。

大河ドラマ「江 ~姫たちの戦国~」では宮沢りえさんが演じて話題になりましたね。

今回は家康に最後まで立ち向かい、波乱の人生を送ったと言われる淀君よどぎみの生涯に迫っていきたいと思います!!

 

◆淀君ってどんな人?

(出典 Wikipedia)

・生涯:1569年(諸説あり)〜1615年

・出身地:近江国おうみのくに小谷(現在の滋賀県長浜市)

浅井長政あざいながまさとお市の娘として生まれる。幼名は『茶々』

・柴田利家を義父となり、豊臣秀吉の側室になる

・大阪の陣で徳川家康と対峙したが、籠城ろうじょうしていた大阪城が攻め込まれ自害した

◆戦国一のおしどり夫婦で育った淀君!!

(浅井長政あざいながまさとお市の像 滋賀県長浜市)

『茶々』(淀君よどぎみ)は近江の浅井長政あざいながまさと、織田信長の妹のお市との長女として生まれました。

どちらも美男美女のカップルといわれ、生まれた『茶々』も美しかったと伝えられています。

浅井家の資料『浅井三代記』、『浅井氏家諸大成』によれば、お市は子連れで輿入こしいれ(嫁入りのこと)してきた」とあるそうで、 輿入こしいれも21歳と当時としてはかなり晩婚でした。

織田と浅井の政略結婚とはいえ、仲睦なかむつまじく人の子宝に恵まれています。

政略結婚といえば『自分の楽しい人生があるのに、見ず知らずの異性と無理矢理結婚させられるのはイヤ』といったイメージを抱きがちですが、当時の場合では、美男美女が結婚して生まれてくる武将の一族はそうそう『残念』になってしまうことが少なく、結婚観自体『そういうもの』であったので、抵抗感はほとんどなかったのです。

そんな中での長政と市は、戦国史上1、2を争うおしどり夫婦の名に恥じず、子どもたちにも愛情を注ぎ、家庭は円満であったといわれています。

◆ 淀君のここがすごい! 『兄を殺し、第二の父を殺した秀吉の側室となった』

(養源院 淀君よどぎみが父浅井長政あざいながまさらの供養のために創設した寺院 京都府京都市東山区)

茶々は近江の小谷おだに、現在の滋賀県長浜辺りですくすく育ちました。

小谷おだに城の戦いは信長が秀吉家康を引き連れて戦った戦としても有名です。

(ちなみに真田十勇士の根津甚八は講談では小谷城で死んだとされた、お市の方の息子、つまり淀君よどぎみの弟と言われています。)

戦の結果、浅井の当主であり茶々の『父』浅井長政は自害をしました。

浅井家は織田家に滅ぼされ、長男『万福丸』は織田軍、一説には秀吉に処刑されたと言われています。

ただ、信長はお市と3人の娘の引き渡し『救出』を最優先とし、彼女らを破格の厚遇で可愛がりました。

信長が亡くなると、お市は柴田勝家に嫁ぎ、3人の娘も同行します。

ここでも勝家に大変可愛がられましたが、勝家と豊臣秀吉が対立して戦となるのです。

その戦の結果、勝家は秀吉に敗れ、お市と手を取り合い自刃しました。

その後、茶々ら三姉妹は秀吉の元に行くことになるのです。

茶々にとっては秀吉は兄『万福丸』を処刑した張本人で、引き取ってくれた第2のお父さんの柴田勝家を死に追いやり、住んでた城を二度焼いた男であり、とても憎しみがある存在でした。

ところが! なんと茶々は自分の父母を殺した男、秀吉の側室になるのです!

やがて後に秀吉の子を二度も出産しました。

このとき『お産所』として、なんとお城を与えられます!

そのお城の名前が『淀城』(古淀城)!

それらのこともあり、淀城の主人という意味で淀君よどぎみと呼ばれる様になりました。

◆ 大阪城、真の当主として戦国史上最も戦に不慣れな司令官が誕生

(大阪城 大阪府大阪市)

秀吉の死後、関ヶ原を経ても『信長の姪』という意識は変わらなかったようで、他の武将から『豊臣の当主は秀頼だが、真の当主は淀君よどぎみだ』とまで言われ、徳川家康と真っ向対立するのです!

しかし、その家康の息子の秀忠に妹の江が嫁ぎ、生まれた『千姫』をの嫁にすることで両者は和解の方向に向かいます。

ところがここで家康の策略にはまります。

方広寺鐘銘(ほうこうじしょうめい)事件。

方広寺というお寺の鐘に刻まれた文章を見た家康が『これは豊臣家が家康を呪い、徳川家を滅ぼすための文章だ!』という言いがかりをつける。

これに淀君よどぎみが怒り、「大阪の陣」が勃発するのです!

豊臣勢力を滅ぼす為の戦を仕掛けようという家康の思惑にまんまと引っ掛かってしまったのでした。 

しかしその士気は高く、前半戦の冬の陣では元気だった大阪軍(淀君よどぎみ)、ここで家康は狙いを淀君よどぎみに集中させます。 

日夜を問わず、淀君よどぎみの寝所のすぐ側を目掛けて大砲を撃つ! 

これには流石の淀君よどぎみも折れて、ついに淀君よどぎみが和解に応じました。

しかしまたもや、家康は約束を破りすぐに大阪夏の陣、第2ラウンドがスタートしました。 

不利な状態で、淀君よどぎみ達の指示がまかり通り、真田信繁らの主張をはねつけ『織田に恩を受けた武将は秀頼を守るために絶対助けに来る!』をスローガンに、頑として籠城ろうじょうを主張。

戦国史上『最も戦に不馴れな司令官』と云われた淀君よどぎみ。 

結果、大阪城は落ち、淀君よどぎみ秀頼は自刃することとなりました。

◆まとめ

信長の姪であり、まさに大阪城の女帝だった淀君よどぎみ

その実は戦の犠牲になった姫の『もう家を失いたくない』という思いから作られた仮面だったのかも知れないですね。

2女、「初」は京極高次に嫁ぎ、高次に先立たれた後は出家し、大阪の陣の際は姉、淀君よどぎみを救うべく奔走し、晩年は江戸で64歳の天寿を全うしました。 

3女、江(お江与)はまず佐治一成に輿入れしますが、離縁。

その後豊臣秀勝に嫁ぐも秀勝と死別。

後に徳川秀忠の正室となり家光、千姫を産み『世継ぎ将軍を産んだ唯一の御台所』と言われたその生涯は2011年のNHKの大河ドラマ「江 ~姫たちの戦国~」としても取り扱われました。

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